不動産屋によって価格査定が違うのはなぜ?

売却の前にまずは価格を査定するというのは大切なステップです。

不動産の価格査定の方法は主に3種類ありますが、中古マンションの場合は「取引事例比較法」という手法が用いられることが9割と言って差し支えないでしょう。

周辺取引事例から算出するので一般の人にも分かりやすいことと、査定する側の不動産会社も扱い慣れているなどいくつかの理由があります。

しかし不思議なもので、複数の業者に査定を依頼すると、各社各様の査定結果を提示してくることが多く査定価格はバラバラです。

ベースになっている取引事例については過去の成約情報ですが、これはあまり古かったり距離が離れていたりすれば参考にできませんので、ベース事例には各社でそう大きな違いはないはずです。

これでは不動産会社の価格査定を信用することはできません。

ではなぜそんな違いが生じるのでしょうか。

それにはこんな理由があります。

■高め査定になる理由

ズバリ、査定価格は売れる価格ではないからです。

媒介契約書は売却業務を引き受けたという契約であって、その金額で売れるということを証する書面ではありません。

査定をいくら高くつけても、不動産会社にはその金額で売却する義務はないのです。

特に複数の不動産会社と競合している場合には、一番高値査定をつけた会社へ媒介契約が転がり込むことがかなり多いです。

媒介契約をもらえなければ一銭の儲けにもならないのですから、各社担当者は目の色を変えて提案してきます。

こうして査定価格は高めになっていく傾向があります。

不動産会社の査定金額にはその分の割増分も含まれていると受け取りましょう。

余談ですが、不動産価格の十の位に「80」万円が多いのは、百の位が減ることでお得感を演出する誘因効果や、値引き交渉分、あるいは「八」という末広がりの縁起の良い数字を用いた験担ぎなど理由があります。

このため、査定額の十の位が1〜7の場合には少しだけ値上げして80万円とすることが多いので、ある意味では高値査定の理由とも言えるかもしれませんね。

なお、9の場合には8に下げるか切り上げますし、0の場合にはキリが良いのでそのままにします。

過去の取引事例を調べても意味が無い

■鵜呑みにできない理由

同じ取引事例を用いても、その解釈が不動産会社や担当者ごとに異なる場合もあります。

例えば、相場よりも安い事例があってもそれが相場の下落ではなく相続等の理由で売り急いだという解釈や、高めに売れた事例でもそれは相場を知らない遠隔地の人などが買ったなど、いろんな解釈の差です。

確かに、取引事例の中には頭1つ2つほど飛びぬけて高い、あるいは安い物件が目につく事も多いです。

あくまでそれぞれの取引の成約事例ですので、これは仕方のない要素でもあります。

また、取引事例の件数が極端に少なかったり古い事例しかない場合となると、参考にするとしても現状に即した内容に変換しなければなりません。

そのプロセスの過程で不動産会社の利己的な要素が混入する恐れもあるのです。

1社だけに依頼した場合でも、前述のような媒介契約獲得競争による高値査定というデメリットはありませんが、代わりに、1社だけということで利己的要素の混入の度合いが増すということも十分あり得ます。

短期間で売却できればそれに係る人件費や広告費を抑えられますので、早期売却を狙って相場よりも安くするなどの手法は珍しくもありません。

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