■買っていただくという精神
内見は土日祝日が多く、せっかくの休みの日にズカズカと内見者が訪れることを快く思わない売主も意外に少なくありません。
頭では分かっていても、つい顔に出てしまったり横柄な態度を取ってしまったり。
特にご主人(男性)に多いようです。
内見者にとってこれはかなり悪い心証として残ります。
お客様は神様です!といってヨイショする必要まではありませんが、一般的な常識の範囲として、軽く笑顔と会釈くらいはしたいところです。
どうしても顔に出てしまうというご主人は内見の間だけでも外出するのもお互いのために有効でしょう。
■キレイに掃除しておきたいポイント
室内の整理整頓などは基本的かつテッパンの内見対策です。
乱雑に散らかった部屋は汚く見える上に部屋を狭く見せます。
人によっては内見物件の玄関ドアを開けて玄関を見た時点で「もうここはいいです」と言って靴を脱ぐこともなく引き返してしまいます。
また、多くの内見者が気にする要素の一つに、購入後のリフォーム費用がどれくらいかかるかというものがあります。
購入前にリフォームして欲しい場所として、「バス」「トイレ」「キッチン」は不動のTOP3です。
売却する側としては高い費用をかけてわざわざリフォームする必要はありませんが、こういった部分をキレイに掃除しておくことで、内見者がリフォームしなくても済むと思わせることも可能です。
■匂いはうっかりしやすい
意外に気がつかないのは家の中のニオイです。
家族は慣れてしまって気にもなりませんが、家の中のニオイは内見者の心証に大きく影響します。
ゴミなどのニオイは論外ですが、売主は良かれと思って設置している芳香剤やアロマなどの香りは人によっては鼻について嫌なものです。
あるいはゴミやカビやペットなどのニオイを芳香剤などで上書きしようとすると、まず確実に悪臭ブレンドの特殊なニオイとなります。
もしも購入してこの臭いが部屋にこびりついていたらと思えば、購入を検討することもなくなるでしょう。
また、エアコンからニオイがまき散らされている場合もあるので、こちらも注意が必要です。
窓を開け、換気扇を全開にして、室内の換気を心がけましょう。
例外として、花粉の季節は違った意味で注意が必要です。
窓を全開にしてしっかり換気したまでは良くても、内見者が入室した途端にクシャミと鼻水が止まらなくなっては逆効果になるという恐れもあります。
■共用部分も掃除する
エントランスから物件までの経路だけでも掃除すると良いです。
もし時間にゆとりがあれば、集合ポスト・駐輪場・ゴミ集積所なども掃除するとさらに良いです。
敷地をぐるりと回って、ゴミ・雑草・枯れ葉などを拾っておくのも良いです。
内見者が物件の室内を見て気に入った場合には、高い確率で帰りがけに共用部分を見ていきます。
昔から「マンションは管理を買え」という不動産格言がありますが、売主が共用部分を掃除しておくことで、内見者には良好な管理が行われている物件だと思わせることができます。
なお、清掃などは共用部分の保存行為であり区分所有者が単独で行える行為なので、内見者が管理会社の仕事の成果だと誤認したとしても、全く違法性はないのでご安心ください。