マンションの売却を考える人にとっては、売却価額というのはとても気になるところでしょう。
「ウチの築30年のマンションは安く叩かれるんじゃないか」
「ああ、もっと早く売っちゃえば良かった!」
売却のタイミングは各家庭によって違いますが、古くなれば売却価額は下がるので早いに越したことはありません。
では毎年同じ額だけ減っていくのでしょうか?
そうではありません。
実は価値が「カクン」と減るタイミングがあるのです。
ではそのタイミングとはどんなものでしょうか。
■築浅の売却は『築5年以内』
中古マンションが最も高く売れるのは築浅の時期です。
不動産情報サイト事業者連絡協議会の「不動産広告に関するアンケート」によれば、築浅物件とは『築5年以内』と答えた消費者が合計82.7%、全体の8割強という結果です。
新築年月日から5年と1日でも過ぎれば築年数は6年となってしまいます。
たったこれだけのことで、割高でも築浅を求めているような買い手の目に止まる機会を失ってしまうのです。
「築浅」というセールスポイントを最大限に活用するためには、可能な限り早く売り出す方が良いと言えるでしょう。
特に最近はほとんどの人がインターネットで物件を探しますが、その際に築年数などで絞り込むことが多いです。
新築とか築5年以内とか。だいたい絞り込む際の築年数の区切りが5年単位であることが多いので、築浅の中古を探す人は、5年以内で絞り込みをかけます。
したがって、6年以上経ってしまうと検索にヒットしなくなり人の目につく機会が大きく減り成約の可能性が低くなります。
さて、次に5年以上経過した後に売りに出す最適なタイミングについて説明します。
■成約の平均築年数は『築20.7年』
東日本不動産流通機構の最新の「サマリーレポート」(2015年10〜12月)によれば、首都圏の中古マンションの成約築年数の平均は『築20.7年』です。
あくまで平均ですので一概には言えませんが、最も活発に取引される築年帯であることは間違いありません。
すなわち十分な需要もあるという事です。
需要がなければ安くしなければ売れないのが不動産ですので、売却するタイミングの一つの目安として『20.7年』を心がけると良いでしょう。
■価値の減少のピークは『築23年』
同機構の発表した「築年帯別平均㎡単価」(2014年)によれば単価の減少のピークは築21〜25年の中間、築23年くらいとなります。
マンションの建物部分の価値の減少が主ですが、これは専有部分と共用部分の設備などの劣化という要素も少なくありません。
修繕費をかけてまで居住するよりも、価値の下がりきった時点で処分して新しいマンションへ買い換えるという選択肢も取りやすい時期でもあります。
■築30年以上は『建て替え決定の前』
前述のように築年帯20年余りの時期は売却が活発です。
しかし、それ以上の年数のマンションは売れないのかといえばそうでもありません。
前出「築年帯別平均㎡単価」(2014年)でも分かるようにピークを過ぎればあとはゆるやかな減少となります。
おおむね売り急いで安くするような必要もありませんので、「果報は寝て待て」とも言いますし、条件の合う買い手が現れるまで気長に待つという選択肢も有効でしょう。
ただし、建て替えの計画が決定してからでは買い手が付きにくくなる傾向もありますので、のんびりしすぎない程度が良いでしょう。